[ニュース] 東京新聞:広がる「生の芸術」アールブリュット 障害超え キラリ傑作:暮らしTOKYO Web

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東京新聞-広がる「生の芸術」アールブリュット 障害超え キラリ傑作-暮らし(TOKYO Web) (20131001)

広がる「生の芸術」アールブリュット 障害超え キラリ傑作

2013年9月28日

「アールブリュット(Art Brut)」をご存じだろうか。フランス語で「生(き)の芸術」という意味で、既存の技法にとらわれない独自の表現法で作られた絵画や造形作品を指す。精神や知的障害のある人の作品もアールブリュットと位置付けられ、近年、各地で作品紹介の拠点が生まれつつある。 (加藤木信夫)
自閉症の大庭稔揮(おおばとしき)さん(17)=相模原市=は、ほとんどの作品でカエルを描くため、コレクターから「カエルの画家」と呼ばれる。白い修正ペンで輪郭を描き、指で多彩色のパステルを塗り込む。独創的な技法と圧倒的な力感が、見る人をくぎ付けにする。
大庭さんは、神奈川県藤沢市で開催中の公募展「湘南アールブリュット展」に出展。今回はアフリカの大地と満天の星に、カエルをコラボさせた力作だ。母親の順子さん(50)は「人と関わりながら絵を描き、さまざまな方に喜んでいただくことが、この子の糧になっている」と目を細めた。
公募展では、国内外から寄せられた意欲作百二十点が展示されている。
知的障害のある日野正和さん(21)=東京都大田区=の絵も注目作の一つ。ボールペンによる点描で、みずみずしい葉の世界を表現する。一センチ四方あたりの点の数は約三十。見る人に、緻密な工芸品に接したときのような驚きと感動を与える。今回は入賞を果たし、副賞として個展開催が決まった。
昨年、大庭さんと日野さんの作品は、数万円(額代含む)でコレクターに購入されたという。
公募展を主催する「湘南アールブリュット・ウエーブ」の共同代表を務める絵本作家の金子光史(みつし)さん(63)は、「アートを楽しむ心に、障害の有無は関係ありません。研ぎ澄まされた彼らの集中力が、コレクターをうならせる傑作を生み出すことは決して珍しくないのです。作品が世に出ることは、何よりも人に認められる喜びにつながりますから」とその意義を語った。
同展は十月三日まで、藤沢市藤沢の「蔵まえギャラリー」=電0466(25)9909=で。二十九日午後には大庭さん、日野さんら出展者が参加予定のアーティストトークがある。

引用元: 東京新聞:広がる「生の芸術」アールブリュット 障害超え キラリ傑作:暮らしTOKYO Web

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